2012年10月18日木曜日

Arles / アルル 兄弟関係

10/9 9:44 発Avignon 発 - 10:05 Arles 着

TGVで夜遅くアヴィニョンに着き、翌日一番にアルルに向かう。

直通電車で二十分。往来に便利なこの街に、著名なものは大きく2つ。

ひとつは円形闘技場に代表されるローマ時代の遺跡。もうひとつは太陽の画家、ヴァン・ゴッホである。実はもうひとつ、アルルの女たちもあげられるが、今それは置いておこう。

アルルにはこの二つがあるから観光地として素晴らしい。より正確には、この二つがあるからこそ観光地として大きな成功を収めているのだ。

互いが競い合うことで生まれる相乗効果。まさしくそれは、ゴッホとゴーギャンの共同生活そのものではなかったか。

いや、ここではゴッホとその弟テオの兄弟関係になぞらえるのがより適切かもしれない。

熱狂的、いや狂信的な兄とそれを影から献身的に支える弟。現代の我々が抱く二人の関係は、このようなややステレオタイプな美談仕立てに堕しているが、現実は果たしてどうだったか?

兄と弟。古今東西どんな兄弟関係も、少なからぬ緊張関係をはらんできた。どちらにとっても相手は、打ち負かすべき初めてのライバルだ。どんなに仲の良い兄弟であっても、その関係にピンと一本張られた糸があることに変わりはない。

ローマ古代遺跡とゴッホ、この大きく歳の離れた2つのあいだにも、同様の力学を想定できるだろうか。できる、といいたいところだが、それは同時に彼らだけが知り得る秘密の結びつきなのだ。

 
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