2014年2月23日日曜日

夢に見るんだ / Je rêve que je rêve ...

夢に見るんだ / Je rêve que je rêve et je suis là pourtant

夢に見るんだ 君を あぁ、若さの極みにある女よ
ぼくは夢の中 君の前にいる
でも君は、現実の時の中にいて
誰かが君に言い寄り、ぼくは忘れられる
靄のこちら側で、明かりも場所もないところで
ぼくは見るんだ まじまじと、君の視線がこちらに
ぼくのほうに向かってくる、それは秘密の小舟のように
からっぽで、ぼくの心だけ乗っていて、体は乗せられないんだ。
*
君は人生のように美しい
その君が今隣の部屋にいる
扉の鍵はかかっているけれど
君の動く物音は聞こえるんだ。
廊下を歩く君の行き先が
僕らのとこでないのはわかってるけど
廊下に擦れるその足音が
忘却が消しゴムで消すような
きれいな消しゴムで全部消し去るような
君の足音がよく聞こえるんだ。

前々回の詩より、『EURYDICE』をはさんでこの詩。二行目「ぼくは夢の中 君の前にいる」は別のバージョンでは「ぼくは夢の中 君のそばにいる」 (Devant vous → Près de vous )となっている。こちらのほうが日本語としては収まりがいい気がする。

後半部は特に意訳した部分が大きい。シュペルヴィエルの詩は(彼に限らないだろうが)、韻を踏むことを重要視していることもあって、主語や動詞が抜けていることが多い。その部分を自分なりに補っているため、詩人の意図したところと大きく意味が変わっている可能性もある。

Au revoir et à bientôt !

0 件のコメント:

コメントを投稿