2014年7月1日火曜日

青春をやり直そう――ペルソナ4の誘惑

ペルソナ、面白かったっすわー。

ゲームって私にとっては時間つぶしに過ぎなくて(そもそもが年に1度やるかやらないかのライトユーザー)、大抵はやったあとに、「うわ、こんなことに時間使ってもうた」と、自己嫌悪に陥るんだけど、これは例外。つまり、傑作。

なにがズドンと来たかっていうと、それはこのゲームで「青春をやり直す」ことができるからだ。それも、毎日何時間も飽きずゲームに向かっていた、冴えなくてそこそこヘビーなゲーマーだった、そんな青春じゃないのよ。

もちろん、人生のリセットボタンを押せるわけじゃない。たぶん君の人生に、セーブポイントなんてなかっただろう?そういうことだ。誰だってわかっている。でも時に人は、「もしあのときああしていたら…」とか「今の自分が高校時代に戻ったら…」とか、しょうもない想いを抱いて、煩悶する。しゃーないやんか、だって人間だもの。

そんな限りなく後悔に近い願望を、実現してくれるのだ。どうしても感情移入してしまう。ゲーム上のかりそめの姿とはいえ、君は信頼できる友人たちやたくさんの恋人候補(最大で6股が可能!)に取り巻かれ、スポーツも勉強も万能だ。加えて勇気は豪傑並みで、その根性はタフガイと賞賛され、オカン級の寛容さを持ち、知識はまさに生き字引、言霊使いと呼ばれるほど言葉巧みに人を惑わす君は、挙句のはてに世界まで救ってしまう。そんな誰もがあこがれるスーパーヒーローになれるのだ。

リアリティに欠ける?別にええやん?だって、ゲームだもの。そこは割り切ってもいいでしょ。ゲームにまでリアルを求めてたら、ちょっと息苦しすぎる。世界の平和を守ろうとしたら、ラスボスを倒す前にまず、貧困をなくさなアカン。

君は都会から片田舎に転向してきた高校2年生だ。これから一年間、その町で暮らすことになる。目の前には霧に包まれた謎と、様々な可能性を秘めた時間がある。その時間をどう使うか、それは君の自由だ。

このゲームの一番面白いところは、攻略を見てしまうと面白さが半減してしまうことだ。効率よくイベントを進めるための方法が、ネット上で探せばすぐに見つかって、会話ではどの選択肢を選べばいいか、何月何日にはなにをすればいいかが一目瞭然だ。結果として、君の人生はスケジュールに縛られ、人と心を通わせる際の機微は失われる。

そしてそれは、前述の「もし今の自分が高校時代に戻ったら…」という願望への答えでもある。答えのわかっている選択肢を選んでいくほど、つまらない人生はない。今のこの、ろくでもない人生で、泥にまみれてジタバタするほうが、きっと100倍も面白い。

Au revoir et a bientot !

追記:ゲームシステム上ですげえよくできてると思ったのが、「他の人と交友を深めることで、強くなる」システム。本を読んだり、勉強したりも大切だけど、友達や知り合った人たちとの絆を深めるほうが、自分のためになる。書いてしまえばありふれた発想だけど、それをこれだけ上手く納得させることは、普通できない。調べてみると、前作ペルソナ3も同様のシステムを採用しているそう。実は高校生の頃に、初代ペルソナをやってたのだけど、当時はそんなシステムはなかった。あれから10年以上、ゲームも進歩するものだなぁ。

追記2:久しぶりに書いているので、文体がわちゃくちゃ。これも個性だ、とかいう風に、いい風に受け取ってもらえれば、幸い。