2014年3月3日月曜日

ソネット ――妻に

ソネット / SONNET
―― Pilar に

永遠を一人で過ごさぬために
君のそばで未来の伴侶のことを考える
いつになれば涙は瞳なしに流れ、僕らは生活を楽しみ、
互いの誠実さの上で、安らうことができるだろう。

冬や夏を切望せずに済むように
巨大な郷愁に押しつぶされないように
今ここで、新たな生を耕そう
僕らの怠け癖のある雄牛を駆り立てよう

どうやって入れ替わるのか、確かめよう
友が、フランスが、太陽が、子どもたちが、果実が
そして頑固な夜がどうやって 素敵な朝に変わるのか

目を使わず見て、指を使わず触って、
言葉も、声も使わずに話して、
身動きもせず、少しだけ場所を移して。

妻である Pilar に贈った詩。ここにはシュペルヴィエルらしい小宇宙と、愛の発露がある。ここにはシュペルヴィエルの小宇宙の中を共に漂う、夫婦の姿がある。

最終段落は「確かめよう」という動詞が隠れている。3段目で「どうやって(様々なものが)入れ替わるのか」と問いかけ、4段目で「こんな風に確かめよう、二人一緒に」と妻に語りかける。

夫婦といえど人間同士、隠し事や失敗もある。ときにお互いを疑い、信じられなくなることもある。それでも二人、共に生きていこう、永遠を一人で過ごさぬために。う~ん、ロマンティックすなぁ。

Au revoir et à bientôt !


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