2012年6月9日土曜日

活字中毒かもしれない

おはようございます。

クロード・シモンに代表される、視覚小説が好きだといっても、すなわち映像が好きということにはならず、むしろ嫌いだといってもいい。

けれど現代はまさに映像の時代で、今さらYouTube などをとりあげるまでもなく、「動画」って言葉自体、ここ数年に作られたという事実を指摘することすら、いくらか滑稽です。

そんな私なのに、どうも今年に入って映画を見る機会が格段に増えました。

これはいよいよ映像の前に膝をついたか、と思わせる出来事ですが、いろいろと考えてみるに、どうもそうらしくない。

なにしろ、字幕を見に映画館に通っているようなものですから。

耳から入る未知の言語と、画面下に書かれた日本語との音のギャップ。耳から入る音と、脳内で再生される音の相違はむしろ、目で見た文字の再生能力の強さを再発見させてくれる。

あるいは、英語やフランス語といった既知の言語との出会い。そこでは耳にした語と字幕、それに自らが翻訳した意味の三者が三様に脳内で入り乱れて、気が付けば別の場面に移っている、なんてこともしばしばです。

要は文字が、言葉が好きなんですね。夢に見るほどに。

夢の中でも本を読んでいる、より正確には活字になった夢を読んでいる、まさに活字中毒者にとって夢のような世界ですね。

では、また。
Au revoir, à la prochaine fois!

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