一昨日、大阪の国立国際美術館で開催中の『森山大道写真展/ ON THE ROAD』を見てきました。
めちゃくちゃ有名な写真家なのでしょうが、全くの無知、予備知識ゼロ(一応名前だけは聞いたことがありました)。そんなんでなぜ行ったのか?
おそらく、というか間違いなく先週の『杉本博司展』の影響です。美術館は比較的良く行くのですが、写真展は皆無。それが先週見た展覧会によって、良い風に感化された、ということでしょうか。
森山大道氏の経歴を見ると、60年代、70年代から活躍しているんですね。息の長い写真家です。
作風は、と言うと見てもらうのが一番なのですが、蛇足と知りつつ、あえてまとめると、
「猥雑な日常を断片的に捉え、包括的に提示する」
といったところでしょうか。よくわかりませんね。なんにしろ、先週の杉本博司展とはコンセプトも撮る対象も対極的、全く異なる写真家でした。以上、ここまでが長い前置き。
さて、『On the road』と聞いて文学が好きな人なら、あるいはそうでない人も、想像するのはやはり、ジャック・ケルアックでしょう。最近完結した『池澤夏樹個人編集 世界文学全集』でも、記念すべき第一回配本がこの本でした。もはや世界文学の中で確固たる地位を築いていると言えるでしょう。
しかしこの作品、万人が読んで面白いかというと、う~ん、と首を傾げたくなる。
第一にまず長い。一巻本で500頁ほどなので、それよりも長い作品はいくらでもあるけれども、文章が冗漫なのに加え、同じ出来事が何度も繰り返される。
そんなんで面白いか?と言われそうですが、二十代前半の私は「これめっちゃおもろいやん!」と感じて、3,4回読み返しました。
何がそんなに面白かったのか?――おそらくは広大さが。車で大陸を横断する苦労が読むことの困難と、アメリカの大地が本の厚みや文庫本の小ささに・・・あるところではリンクし、別のところでは反転して投影される。
本の上に広げられた広大な空間を旅する経験、これこそがフォークナーとも通ずる「アメリカ文学」を規定するものではないかと思うのです。
とまぁ、ここまで書いて読み返したくなったので家を探したものの、見つからない。むかつくぜ。
では、また。
Au revoir, à la prochaine fois!
大阪国立国際美術館。これは去年撮った写真。 |
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