2013年3月29日金曜日

アポロは未来の礎となって

ほりえもん、こと堀江貴文氏、出所。

株式会社ライブドアの下CEOとしてかつて一世を風靡した男も、2006年証券取引法違反の疑いで逮捕。2011年に2年6か月の実刑判決。そして、一昨日の2013年3月27日に仮釈放され、メディアの前に姿を現した。マスメディアはこぞってこのニュースを取り上げた。

証券取引法違反ってなんだよとか、マスコミの滑稽なまでの群がり具合など、突っ込みどころは多々あるが、今それは脇に置いておこう。それはこのブログのテーマから横道に逸れてしまう。

興味深かったのは、会見で飛び出した、今後なにをしたいか、という問いに対する答えの一つとして、「宇宙開発」と答えていたことだ(ニュースによると逮捕される以前から宇宙開発事業には着手していたらしい)。

現在進行中の宇宙開発計画として、目覚ましいものの一つにディスカバー号による火星探索がある。火星は太陽系において、もっとも生命の住んでいる(いた)可能性の高い星だといわれており、最先端の技術の結晶であるディスカバー号は、その証拠集めに躍起になっている、なんてひねくれ過ぎた見方だろうか。

そんなほりえもんの夢を現在進行中で突き進んでいるのが、Amazon.com のCEOである Jeffrey Preston Bezos 氏。先週、彼の組織したチームが、大西洋沖からアポロ11号の打ち上げに使われたサターンⅤのF1エンジンを引き揚げた、と発表した。

1969年に人類初の月面着陸を成し遂げた、あまりにも著名な宇宙船の推進エンジンは、その後40年以上ものあいだ、 海底4300m で眠っていたことになる――ロマンがあっていいだって?彼ら大金持ちがそんな論理で動いているとは思えないな。

かつて宇宙開発はロマンだったが、今はマロンだ。意味がわからない?ごめん、私もノリで言った。あえてこじつけるならば、以前の宇宙開発は人類全体で共有する一種の神話だったのに対し、現在のそれは金さえ積めば購入できてしまう、値札のついた店頭商品だってことだ。

人類に残された最後のフロンティアは今後、大富豪の遊戯場になるだろう。ちょうど人跡まれな山林深くを切り開いて作り上げたゴルフ場が、中流階級の娯楽の場として供されているように。国家的な神話を共有する時代は同時にマスメディアの時代でもあった。その一方で、現在進行中の資本主義の拡大に伴う力の分散化現象は、パーソナルメディアとミニコミの時代の到来に照応しているのか?同時代を生きる我々には中々判別がつきにくいことではある。

That's one small step for (a) man, one giant leap for mankind.
これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。
 
 と、アームストロング船長の名言を引いて、上手くまとめた風にしておこう。
 
Au revoir et à bientôt !
Les moteurs d'Apollo 11 remontés du fond de l'Atlantique lors de l'expédition Bezos© BEZOS EXPEDITIONS / AFP
 参照URL:Wikipedia アポロ11号
culturebox Les moteurs d'Apollo 11 remontés après 40 ans au fond de l'océan Atlantique (フランス語サイト)
 


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