2011年9月21日水曜日

ma bagnole

おはようございます。

今日は久しぶりにフランスの話題を。

フランス語では車に当たる単語として、voiture の他に表題の bagnole という語があります。

前者(車?)は一般的に用いられる意味の車で、日本語の車、自動車とほぼ同義です。後車は辞書で見てみると、

① ≪話≫車、自動車

② おんぼろ車、ぽんこつカー

とあります。

辞書で近くの単語を探索すると、「bagage / 鞄」があり、「bagarrer / 争う」があり、そこから派生した「bagarre / 乱闘」があり、極めつけは「bagnard / 徒刑囚」「bagne / 徒刑場、流刑地」などといった不穏なものまで。なんだかずいぶん痛めつけられた単語揃いとなっています。

さてこの単語、本などで見かける機会が意外に多くあります。
それもそのはずで、フランスでは実に多くの bagnole が街を走っているのです。

パリの街にいわゆる駐車場はなく、いたるところの道の片側に沿って、プジョーやらフォルクスワーゲンに混じって、どこのメーカーとも知れぬ bagnole が何食わぬ顔をして停めてあります。

で、もちろん出るときには前後のプジョーやフィアットにぶつかりながら出ていく。
「バンパーはぶつけるためにある」という、その潔さには感服します。

日本ではおんぼろ車を見る機会は随分まれになったと思います。私が子供の頃はもっと見た記憶があるのですが。

そういえば、この「おんぼろ」という単語自体、あまり聞かれなくなりましたね。確かに周りを見回しても、この語がしっくりくるようなものが減ったと思います。建物しかり、自動車やバスしかり、(表現的にはおかしいですが)衣服しかり・・・。一方で「レトロ」に対する志向は見られるように思います。

社会の変化に合わせて言葉もまた変わっていく。言葉は社会を映し出す鏡のようなものなのでしょう。

では、また。
Au revoir, à la prochaine fois!
これはまだ新しいほうかな?もちろん、新車に乗ってる人もたくさんいます

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