2013年5月7日火曜日

世界で一番良い仕事 !?

オーストラリアは身近だ。

高校の頃、留学といえばオーストラリアだったし、ワーホリの行き先でも、一番人気だ。

もちろん実際に身近かといえば、決してそんなことはない。時差はほとんどないけれど季節は真逆だし、そもそも飛行機で9時間はかかる。文化的背景も日本とはひどく異なる。

初めて西欧文明が到達したのが1606年、1788年からは独立したアメリカに代わって流刑植民地としてイギリス人の移民がはじまる。1828年に全土がイギリスの植民地に。1901年に独立を果たすが、その後もイギリス国王に忠誠を誓っていた。当然のように先住民たちの文化が無視されるのが西欧の帝国主義が世界に広めた「歴史」だ。

それはともかく、身近な国と思わせるのにはそれなりの努力が必要で、オーストラリアは国を挙げて実施しているのが大きい。その文化的背景を有効に生かして、日本を含むアジアの各国には西洋文明への憧れを、ヨーロッパ文化圏には共通の価値観をチラつかせながら、適度に加減されたオリエンタリズムを提供する算段。実にしたたかである。

そんな国を挙げての取り組みの一つに、「世界最高の仕事」プロジェクトがある。
カンガルーを起こすこと、イルカと一緒に泳ぐこと、コアラを抱くこと、そしてオーストラリア国内の魅力的なバーやレストランを発掘すること、といった一般的な仕事のイメージとは程遠いものばかりで、毎年世界各国から数万人が応募している。

応募には30秒のアピールヴィデオの製作が必要になるが、今回選ばれたフランス人のElisa さんが作った動画がこちら。他にもFacebook 上で1000のいいね!を獲得するために奔走する姿を撮った動画などもアップされている。


なんのためにこんなプロジェクトを?もちろん、オーストラリアの魅力をもっと世界に知ってもらうためだ。なるほど、広告費に較べれば人間一人の人件費など知れたものだ。現在の一個人の発信力に着目した、21世紀型マーケティングの成功例といえるだろう。

観光大国を目指す日本の手本が、こんなにも身近なところにある。

Au revoir et a bientot !
オーストラリア。じゃなくて、おーじどうぶつえん。
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