2014年8月16日土曜日

書かれなかった過去を振り返ろう 6/5 ――もう一度、ペルソナ4

ようやくクリア!100hくらい費やしたが、これはなかなか大変なことだぜ(一生懸命フランス語をやったと言える月でも、50~70hくらいがせいぜいなのに)。大概のゲームは、それに費やした時間をはっきり無駄だと思うのに、今回はなかった。たぶん人生初の、ゲームをやって有意義な時間だった。

ベタ褒めしすぎか、いやいや、そんなことはない。それだけの価値のあるゲームだった、少なくとも私にとっては。前回紹介時はだらだらと書いてしまったので、今回はさくっと済ませよう。

1.コミュニケーションをとることで強くなれる
2.時間の一回性
3.攻略本ありの人生はつまらない
4.自分の弱さを受け入れるための物語

1.コミュニケーションをとることで強くなれる
作中に登場する人物には「コミュ」と呼ばれる関係があり、主人公は彼らと一緒に時間をすごすことで、絆を深めることができる。彼らにはそれぞれアルカナ(タロットカードの「隠者」、「戦車」といったもの)が割り振られており、コミュランクが上がったアルカナからは、より強力なペルソナを作り出すことができる。コミュランクを上げることが、強敵を倒すための近道なのだ。それにしても、主人公のコミュ力はすさまじい。

2.時間の一回性
一日に行動できるのは2回、放課後と夜だけに限られている。それぞれでできることできないことがあって、ダンジョンに入るなら他の人と一緒にすごすことはできないし、勉強やアルバイトをあきらめなければならない。なにかを得るにはなにかを捨てなければならないのだ。

3.攻略本ありの人生はつまらない
ネットで攻略サイトを見れば、どうすれば完璧にコミュをマスターできるのか、会話中の正しい選択肢まで教えてくれる。そうすればゲームシステム上は完璧な人生を送ることができる。でも逆に、つまらない人生になってしまう。結末のわかっている推理小説のように。

4.自分の弱さを受け入れるための物語
ペルソナとはもう一人の自分。日常生活で決して覗き込むことのない、自分自身の暗部だ。誰にでもあるそうした弱さやいやらしさを、否定すれば暴走し、受け入れることができれば自分の力となってくれる。ありふれたテーマだとしても、そうした弱さを主人公やその仲間の高校生にだけ認めるのでなく、周りの大人たちもまた、例外なく秘めていて、向き合うことができていないことを明らかにしている、という点が素晴らしい。

子どもの頃には、「大人になったら」という言い訳が使えた。大人になった今、それはもう使えない。時間は弱さや愚かさを解決してくれず、むしろより解きほぐしがたい、絡まり合った難問として心の隅に置かれてある。自分の弱さと向き合わなければ、どんどん自分が自分でなくなっていく。だから人は嫌でもそれに立ち向かう。大人になっても、認知症になっても、死の間際までも。これは、英雄になれない凡人が生涯を通して挑む、最大の戦いだ。

それは困難でありながらも、少し楽しくもある。

Au revoir et a bientot !

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